トピッククラスターとは?導入のメリットやSEO効果を解説

WEBサイトを運営していく上で、コラムやブログなどの記事を定期的に投稿していくはSEO上大変有効です。
定期的に記事を更新することでGoogleから更新頻度の高いサイトとして評価され、クローラーの頻度があがり、検索結果にページが表示(インデックス)されやすくなります。

また、Googleは検索者の意図をまんべんなく満たした専門性の高いサイトを高く評価するため、記事を定期的に投稿することでサイト全体のポテンシャルをあげることができます。

しかしながら、やみくもに記事を量産しても、検索上位に表示されるわけではありません。むしろ、戦略なしに記事を書いてしまうと、SEO評価を落としてしまう可能性があります。

戦略なしにコラムを量産して起こりうる問題点
  • サイト構造が煩雑になるとクローラーが記事を見つけにくくなり、インデックスされにくくなる。
  • 関連記事へ適切にリンクを設置しないと、リンクジュースがサイト全体に行きわたらず、サイトのポテンシャルを上げられない。
  • 質の低い記事や専門から外れた記事を書いてしまうとかえってSEO評価を下げてしまう恐れがある。

SEO評価を落とさないためにも、関連したコラム同士を内部リンクで繋ぐことが重要です。今回は、サイト内のコラム記事を戦略的にグルーピングする「トピッククラスターモデル」をご紹介します。

トピッククラスターモデルとは?

トピッククラスターモデルとは、サイト内にある関連したコラム記事をグルーピングし、主要ページ(ピラーページ)と、それを補う記事群(クラスターページ)同士を内部リンクで繋ぐことで、記事群全体のSEO評価を高める戦略のことです。

ピラーページ
トピッククラスターの中心となるまとめページのこと。クラスターページの内容を網羅したページを指します。
例)SEO対策とは
クラスターページ
ピラーページの内容を掘り下げた記事を指します。
例)SEO対策 やり方、SEO対策 費用相場、SEO対策のメリットとデメリット

トピッククラスターは、ニュースサイトのような一日に何記事も公開され、時間経過とともに価値が落ちる記事には向いておらず、長期間にわたって読者に役立つコンテンツが掲載されているサイトに向いています。

関連度の高いコラム記事同士をリンクで繋げることで、記事同士の関係性や親子関係が検索エンジンに伝わりやすくなるだけでなく、ユーザーの回遊率もあげることができます。また、記事群を作ることで検索意図を広く満たすことができるため、Googleからも高く評価してもらえます。

ピラーページ:クラスターページを包括したまとめ記事

トピッククラスターはピラーページとクラスターページの2種類のページから構成されています。まずはピラーページの概要を説明します。

ピラーページで検索上位を狙うキーワード(ターゲットキーワード)は、ビックキーワードからミドルキーワードになります。ビックキーワードはファットヘッドキーワードともよばれ、検索ボリュームが多い人気の検索クエリを指します。ビックキーワードは大抵ひとつの単語で構成されます。具体的には「SEO対策」や「ホームページ制作」などがあげられます。

記事の中身については、いわゆるまとめ記事や目次のような形で、クラスターページの内容を網羅する形で作成します。まとめ記事といっても、クラスターページを引用するだけでなく、ターゲットキーワードの検索意図を出来る限り満たせるよう、独自のコンテンツをしっかりと入れましょう。

クラスターページ:親コラムを補完する記事

クラスターページは対照的にロングテールキーワードと呼ばれる、キーワードを2つ重ねたようなボリューム数が比較的少ないキーワードで検索上位を狙います。ピラーページの内容を補完する形でキーワードを設定し、記事を作成します。具体例を挙げると、ピラーページのターゲットキーワードが「SEO対策」の場合、クラスターページとしては「SEO対策とは」「SEO対策 メリット」「SEO対策 自分で」「SEO対策業者 選び方」などがあげられます。

トピッククラスターモデルを導入するメリット

もし、検索順位を大幅にあげるためにトピッククラスターモデルを導入しようとしている場合は注意が必要です。なぜなら、トピッククラスターモデルは「検索順位をあげやすくするため」の施策であり、良い記事がかけていることが前提なためです。

結局のところ、品質の良い独自性(オリジナリティ)のある記事がかけていないとトピッククラスターモデルを導入しても徒労に終わるでしょう。ただ、記事がしっかりとかけていて内部リンクをつないでいなかった場合は、トピッククラスターモデルを導入することでSEO評価を底上げできる可能性があります。

SEO的にどんなメリットがトピッククラスターモデルにあるか

トピッククラスターモデルを導入した際のSEO的メリットは下記の3つが挙げられます。ここではそれぞれのメリットについて詳しくご紹介します。

  • 記事の親子関係がクローラー(検索エンジン)やユーザーに伝わりやすくなる
  • リンクジュースを適切に配分できる
  • 記事群全体でユーザーの検索意図を網羅できる

記事の親子関係がクローラー(検索エンジン)やユーザーに伝わりやすくなる

トピッククラスターモデルでは、ピラーページとその関連するクラスターページを体系的にリンクさせます。この内部リンクにより、クローラーがサイト内のコンテンツの階層を理解でき、親子関係が明確に伝わります。また、ユーザーにとっても、関連情報を一箇所で網羅的に確認できるため、ユーザビリティが向上します。Google社員のリークにより、Chromeユーザのユーザー行動をシグナルとして使っていることがわかっているので、回遊率上昇による検索結果ランキングの向上が見込めます。

リンクジュースを適切に配分できる

被リンクをもらうことで検索エンジンからの評価価値を得ます。これはリンクジュースと呼ばれており、内部リンクをつなげることで受け渡したり、逆にもらったりすることが出来ます。そうして集まったリンクジュースによって、各ページのSEO評価(検索結果のランキング)が決定付けられます。GoogleはこれをPageRankと呼んでおり、一般に公開されていませんが、ランキング要素としては現在も有効であると考えられています。

無秩序に記事を書いてしまうと、一部の記事にリンクジュースが溜まってしまったり、記事の階層が深いとリンクジュースを分け与えられない可能性があります。コラムを体系的にまとめることで、リンクジュースが効果的に配分されます。これにより、サイト全体の評価が向上し、特定のキーワードだけでなく、関連する複数のキーワードでの検索順位を上げることが期待できます。

記事群全体でユーザーの検索意図を網羅できる

たった1ページで検索意図を満たすことは難しいです。とくにビックキーワードであればあるほど難しいでしょう。例えば「SEO対策」で検索する人は「SEO対策の方法を知りたいユーザー」や「SEO対策をしてくれる業者を探しているユーザー」など多岐にわたります。

トピッククラスターモデルでは、メインのテーマに関連するさまざまなサブトピックを別ページに作り、内部リンクすることで、ユーザーの検索意図を多角的にカバーすることができます。ユーザーがどのような関連情報を求めても、クラスター内の記事で対応できるため、検索エンジンからの評価も高まります。

トピッククラスターモデルの作り方

ターゲットキーワードの選定

まずは検索結果で上位を狙いたいターゲットキーワードを選定します。クラスターを作るためにビックキーワードを決めてから、ツールを使い関連キーワードを洗い出します。

ピラーページ用のターゲットキーワード例
「SEO対策」「WEBマーケティング」「ホームページ制作」
クラスターページ用のターゲットキーワード例
「SEO対策とは」「SEO対策 メリット」「SEO対策 自分で」「SEO対策業者 選び方」

キーワードを洗い出すツールとしては「Ubersuggest」や「ラッコキーワード」などがあげられます。Google検索結果の下部に載っている関連キーワードも参考になるでしょう。

記事を作成する

トピッククラスターモデルを形成するためには、高い品質の記事や独自性(オリジナリティ)が必須です。当たり前ですが、低品質の記事をたくさん集めてもGoogleから評価してもらえることはありません。品質の低い記事は、むしろSEO評価を下げてしまう恐れすらあります。

ここではGoogleや検索ユーザーから評価される記事を作るポイントについてご紹介します。

Googleの動向を理解しておく

E-E-A-T(E-A-T)を意識して記事を作る

Googleは「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」「Experience(経験)」の4つの評価基準に戻づいてWebページの品質を評価しています。

まず、「経験(Experience)」に関しては、実際の経験を基にした情報を取り入れることが求められます。読者や検索エンジンに対して、記事の内容が単なる情報ではなく、著者がその分野で何を体験し、どういう知識を得たのかを伝えることが重要です。例えば、旅行記事では訪れた場所での具体的な体験や、現地の人々とのやり取りを含めることで、信頼性が増します。

「専門性(Expertise)」に関しては、その分野の専門家であることを明確にする必要があります。著者が適切な資格を持っているか、その分野で働いていることをしっかり示すことが大切です。

「権威性(Authoritativeness)」は、その分野で認められた専門家や信頼性のある情報源からの引用や参照が不可欠です。信頼できる機関や大学の研究データ、政府機関のレポートを基にした内容は、記事全体の価値を高めます。また、信頼できるサイトからの被リンクも効果的です。

「信頼性(Trustworthiness)」を高めるには、正確で透明性のある情報提供が重要です。情報の出所を明確にし、誤解を招くような内容や誇張した表現は避けましょう。また、一般の人からのレビューやコメントを掲載することで、ユーザーだけでなく、検索エンジンにとっても記事を信頼できるようになります。

最新情報が重要

最近のGoogleの動向として、最新情報を含むコンテンツを優先的に検索結果に表示する傾向があります。Googleは記事を探し出し、インデックスを行い、ページの評価を行ってから検索結果にページを表示します。そのため、最新情報が掲載されにくいという問題を抱えています。最新情報を探すときはX(旧Twitter)やInstagramを使う方も多いでしょう。そのため、今後さらに最新情報が重要視される可能性があります。

検索者の意図が広く満たされている

例えば、「SEO対策」で検索するユーザーの意図は、多岐にわたります。
・SEO対策会社を探している場合
・SEO対策を自分で行う方法を探している場合 など
これらを網羅したコラムを作る必要があります。

適切なキーワード設定が必要

検索意図と外れたキーワードや専門から外れたキーワード、同じキーワードでコラム記事を作成した場合、Googleから低品質な記事と評価されてしまいます。SEO対策を解説しているサイトでもほとんど取り上げていないポイントですが、非常に重要な項目になります。

内部リンクを設置する

SEO対策に関する記事を読んでいるとよく内部リンクが重要と書かれていますよね。「内部リンクが重要なのは知っているけど、どうやって設置すればいいかわからない」という方も多いかと思います。ここでは内部リンクを設置するおすすめの箇所や注意点についてご説明します。

そもそも内部リンクとは?

内部リンクとは「同一のドメイン(Webサイト)内のページとページを繋ぐリンク」のことを指します。

内部リンクの貼り方

内部リンクを貼る際、適切な箇所、そしてアンカーテキスト(リンクするテキストのこと)が必要です。

  • クラスターコンテンツからピラーコンテンツへのリンクは、テキストリンクにして、アンカーテキストにピラーページの対策キーワードを入れる
  • クラスターコンテンツからピラーコンテンツへのリンクは、なるべく冒頭に入れる
  • クラスターコンテンツ同士のリンクは、クラスターコンテンツからピラーページへのリンクよりも下部に入れる

検索順位の確認

必要であればリライトする

トピッククラスターモデルに関してよくある質問